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「シルバーレイン」麒麟寺いろ香(b04290)とネフティス・ヘリオポリス(b31266)の覚え書き等々。「シルバーレイン」をご存知ない方は回れ右をお勧めします。



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夏休みが終わっても、外の空気にはまだありありと暑さが残っていた。
それでもゴーストの群れる場所だけは例外のようで、
静けさがひんやりと冷気を放っている気さえする。

…鳴るはずのないチャイムが鳴り響くその学校に、いろ香はいた。
同行してくれた仲間に礼と別れを告げ、帰還の途に着いた、その時だった。

ばたり。

……不意に背後から、何かが倒れるような音がした。
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…病院には、やはり既に幾人かが集まっていた。
見知った顔の親戚に…見覚えのない者は恐らく祖父の部下だろう。

突然姿を現したいろ香に、その場にいた全員が驚いたようだった。
親戚の者は幽閉されているはずのいろ香がここにいる事に、
部下たちは上司に孫がいた事に。
幽閉から十年、それほど いろ香の存在は隠し通されていた。

長い間 世間と触れ合う事無く育った少女は異様とも言える雰囲気を纏い、
その神秘的な香りに周囲は息を呑む。

美しく、どこか儚げで、虚ろ。

浮世離れした少女がその場を横切っていくのを、
誰もがただじっと見つめる事しか出来なかった。
…その日は月の綺麗な夜だった。
ただ、風がひどく強い。
ようやく満開になった庭の桜は、ほとんどが散り落ちていた。

高く小さな窓から射す美しい月明かりと、狂ったようにざわめく庭の木々。
噛み合わぬその様に、何故だかいろ香は漠然と不安を感じていた。
十五の夏のある日。
いろ香は久しぶりに両親の顔を見た。

相変わらず、自分と目を合わせようとはしない。
困ったような、迷うような、複雑な顔で目を泳がせる両親。
そんな姿もすっかり見慣れていたいろ香は、
ただじっと二人を見据えていた。

どこか虚ろで、それなのに全てを見透かしているような、
深い青紫の瞳で…。
薄暗い座敷牢の中に、一人の少女がいた。
闇に映える白い肌、漆黒の髪に青紫の瞳を伏せ、
その印象はまるで人形のように冷たい。

いろ香は十五歳になっていた。

元より神秘性を放っていたその風情は さらに香るような色気を纏い、
一見、年齢にそぐわない雰囲気を漂わせる。

しかし瞳には確かに歳相応の幼さを残し、
少女とは言い難いその雰囲気と相まって より不思議な印象を生み出していた。
取り扱い説明
■キャラ設定やら何やら置いてあります。極稀に背後もしゃべります。極端なアンオフィになるようなものは無いと思いますが、苦手な方はご注意下さい。 ■リンクやらコメントやらはご自由に~。 ふつーに喜びます。
■このブログに掲載されているイラスト作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。 イラストの使用権は「はち」に、著作権は各イラストマスターに、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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