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「シルバーレイン」麒麟寺いろ香(b04290)とネフティス・ヘリオポリス(b31266)の覚え書き等々。「シルバーレイン」をご存知ない方は回れ右をお勧めします。



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今日は一体、何月何日なのか。
暦を知るようなものはここには無く、外の景色すらろくに見る事はできない。
俄かに冷え込み始めた空気だけが、冬が近い事を感じさせる。

うっすらと寒い部屋の中でいつものように目を覚ますと、
ふと、枕元に何かが置いてある事に気付いた。
それを見るや、いろ香は複雑な心中を露わにする。

…ああ、今日は、十一月十一日なんだ…。

困惑とも悲哀ともつかぬその表情は、
凡そ誕生日の贈り物をもらった少女のそれではなかった。
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もう、あまり泣く事もなくなっていた。
崩れるように麻痺していく色々な感情を、惜しいとも思わない。
むしろそんな余計なものは要らないとさえ感じ始めていた。

それでも、いろ香の感情が完全に消え去る事はなかった。

…お祖父様に会いたい…。

小さな体をぴしりと正して座るその虚ろな瞳に、
少しだけ、潤んだように光が差す。

大好きな祖父の存在だけが、
かろうじていろ香の精神を現実に引き留めていた。
小さな子供には広すぎる部屋の中、几帳面に背筋を正して座る。
誰も見ている者などいない。けれど、そうするように言われていたから。

…ここに来て、どのくらい経っただろう。

見上げるほどに高い小さな窓から射す光を眺め、
いろ香はぼんやりと考えていた。

毎日ただただ与えられる食事と、勉強を教えに来る先生。
同じ事をひたすら繰り返すだけの毎日に、
すっかり時間の感覚など無くなっていた。
…大人たちは、すぐに気が付いた。
明らかに異様な、その子供と周りで起こる奇怪な現象。

それが起こる時決まって見せる 恍惚に揺らぐ青紫の瞳は、
狂気さえ感じさせた。
…幼い頃からそれは、いろ香の中にあった。

あまりにも自然に存在していたそれが何か特異なものであると気付くのに、
そう時間はかからなかった。
取り扱い説明
■キャラ設定やら何やら置いてあります。極稀に背後もしゃべります。極端なアンオフィになるようなものは無いと思いますが、苦手な方はご注意下さい。 ■リンクやらコメントやらはご自由に~。 ふつーに喜びます。
■このブログに掲載されているイラスト作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。 イラストの使用権は「はち」に、著作権は各イラストマスターに、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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