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「シルバーレイン」麒麟寺いろ香(b04290)とネフティス・ヘリオポリス(b31266)の覚え書き等々。「シルバーレイン」をご存知ない方は回れ右をお勧めします。



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…ぴりりと張り詰めた空気に、少女は目を覚ました。
快晴の空は何時の間にか薄く曇り、嫌な湿気を纏っている。

その身を預けた青年の体は、今まで感じた事もない緊張感を放っていた。

見上げた青年の顔は、険しかった。
少女は一気に気持ちが縮こまる。こんな表情の彼は見た事がない。

青年はどこか一点を見つめ…いや、睨んでいるが、
少女はその視線の先に何も見つけることが出来ない。
ただ、触れ合った肌から異様に緊迫した雰囲気だけが
ひしひしと伝わってくる。


青年が、ゆらりと立ち上がった。

「来るな」
そう言わんばかりに、少女の前に片手を突き出す。
…その手には、指輪が光っていた。
不意に、少女の心臓が抉られるように脈打った。

「行かないで…!!」

わけもわからず、少女は叫んだ。今まで出した事もないような大きな声で。
しかしその声は、彼には聞こえない。
声では彼を止められない。

止めなければ。 止めなければ。

その一心で、歩き出した青年の腕に手を伸ばす。
その気配に気付き、青年が振り向いた。
驚きと緊張の表情。
そして一瞬、少女ではない何かへ、視線が向けられた。

覆いかぶさるように少女を包む青年の腕。
同時に響く、何かが引き裂かれるような音。

大きな彼の肩越しに、真っ赤な飛沫が見えた。
その向こうに、何かわからない、異形のものが見えた。
そして、少女の指輪が光を放つ。

…あれを、あれを、消し去らなければ!!

少女の指輪から放たれたその光は矢のように、
何者かわからぬそれを貫いていた。
直後に霧散したそれは、既に少女の視界には入っていなかった。


力を失いながらもまだ少女を抱き続けているその腕は、少し震えている。
体が熱い。
朦朧としながらも、悪しき気配が消え去った事と少女が無事である事に、
青年は安堵の表情を見せる。
それを境に、熱かった体は、次第に冷えていく。

「セト……セト…!!」

黒曜石が涙に滲む。
腕が回りきらないほど大きな背中を懸命に抱き締めると、
ゆっくりとその体から、力が抜けていくのがわかった…。
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■キャラ設定やら何やら置いてあります。極稀に背後もしゃべります。極端なアンオフィになるようなものは無いと思いますが、苦手な方はご注意下さい。 ■リンクやらコメントやらはご自由に~。 ふつーに喜びます。
■このブログに掲載されているイラスト作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。 イラストの使用権は「はち」に、著作権は各イラストマスターに、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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